寒さに弱いAED

AEDは精密機械で、使用可能な温度には制限があります。
これに加えて、ジェル状の部分がある電極パッドが付属しているため、
さらに使用可能な温度が限られます。

AED本体だけならば、-20℃~60℃程が使用可能な温度です。
電極パッドも含めた場合は、0℃~50℃程になります。

電極パッドの表面の粘着性のジェルは、寒いと固まり、
粘着性が弱まります。きちんと電極パッドが皮膚と密着しないと
正しく心電図を読み込めませんし、正しく電気ショックが行え
ない可能性がでてきます。

日本では、冬に0℃以下になる地域は多いです。
こういった地域では、AEDを屋外に置いてしまうと、
使用できない可能性があります。

0℃以上の環境で保管されていたAEDを0℃以下の場所で使用した場合、
0℃以下の場所にある時間が短ければ普通に使用できる、というケースも
あるようですので、AEDの保管は0℃以上の場所でするようにして
欲しいと思います。

0℃以上の場所に保管しようとおもうと、寒い地域では、
自ずと屋外にAEDを置く事はできなくなります。
よく、自治会などで導入する場合に、みんながいつでも使えるように
屋外に置きたい、という需要がありますが、0℃を下回る地域で
屋外に置いてしまう事は危険です。

そういった問題の解消のため、ヒーター付の収納ケースの販売もあります。
どうしても屋外に設置したい場合は、そういったものを活用する
方法があります。

ただしヒーター付のケースは数十万してしまいますし、電気が
必要なので設置する場所によっては電気を引っ張ってくる工事が
必要となります。

手間と費用がかかってしまうので、室外に設置を検討される場合は、
設置方法をよく検討して頂けたらと思います。